こんにちは。院長の三田です。

時間が空いてしまいましたが、サージカルガイドの続きのお話です。

インプラントの埋入手術とは、ドリルで骨に穴を開けてインプラント本体を入れます。

骨は平坦な形だけではありません。骨を平坦にしてから入れるために骨を削るバーもあります。取っ掛かりを作るための極細のドリルもあります。しかし、何を使ってもドリルの先が少しでも滑れば位置、方向がずれます。骨の厚みが薄ければ方向がずれると穿孔します(骨の横の壁を突き抜けます)。すると最悪の場合、穿孔部から血種ができ呼吸困難を起こし救急搬送が必要になることもあります。

だからCT写真上でシュミレーションした位置にずれなく埋入できるサージカルガイドが必要なんですね。

当院ではエールジャパン社製のエールガイドというサージカルガイドを使用しております。

本体はこうなっており、左右の穴にドリルをいれます。

穴は筒になっており、一方向にしかドリルは通りません。

エールジャパン社のHPには

「エールガイドは、『手術の不確実な要素を排除し、術者がしっかりとコントロールできる安全な術式』を提供しています。インプラント手術の難しさは、骨の中を確認しながら手術できないことにあります。目視できない以上、どんなに経験や技術があってもフリーハンドでは不確実で、設計通り常にピンポイント埋入することは不可能です。術者の技術や経験を補完する高精度のサージカルガイドが必要です。」

と書いてあります。

エールガイドは完成するまでに、ガイド作製、スリーブ取り付け、確認、の三回の時間を頂きます。そして、その都度CT写真をとり各工程にズレがないかチェックします。セミデジタル法というらしいです。他社の物には、型取りを一回だけして完成になるフルデジタル法もありますが、フルデジタル法だと位置、方向がずれても修正できません。エールガイドはチェックしながら作製していきますし、ずれていたら修正できます。

このケースは、両隣の歯とインプラントの幅が少なくどちらにも触れてはいけないピンポイントで埋入が必要です。

正面像からみると唇側、口蓋側の骨に余裕があるいい位置に埋入できています。

安心、安全のためのサージカルガイドです。

作製にお手間とお時間をいただきますが、手術時間が大幅に短縮できるのと、術野も小さくでき術後の腫れ、痛みの軽減にも役立ちます。

サージカルガイドを使った安心、安全なインプラントに興味がある方は玉川学園前駅マルシェ歯科まで。